弁護士・司法書士が介入するとサラ金はどう動くか|サラ金支店長が社内の流れを全部解説

「弁護士に頼んだ。これで請求がこなくなる。」

そう思って弁護士に頼んだ後
サラ金の社内では何が動いているか、あなたは知っていますか。

サラ金会社といっても、社内の動きは会社によって違います。
ここで書くのはあくまで僕の会社での動きです。

ただほかの業者の動きも大きくは変わらないと思います。

受任通知を受け取りどう動くのか
回収するのか、あきらめるのか、流れに任せるのか。

今回はその話を全部します。

受任通知が届いた瞬間、まず何をするか

弁護士や司法書士が依頼を受けると、まず「受任通知」という書類が
郵便やFAXでサラ金会社に送られてきます。

これは「この人の代理人になった」という正式な通知で、受け取った時点で直接連絡しないでくださいという通知です。

届いた通知を受け取ったら、社内でまずやることは2つです。

①社内の顧客管理システムに「弁護士介入」を登録する。
これで営業や督促、どちらからも連絡がいかなくなります。

②信用情報機関に「弁護士介入」の情報を登録する

信用情報に登録されると、全業者がその状態を確認できるようになります。
この状態になると、ほぼすべての金融機関で新たな借り入れは不可能になります。

また受任通知には、今後の方針が記載されています。大きく分けると以下の4パターンです。

受任通知に書かれている方針

・任意整理予定(残債を分割で支払う方向)
・破産予定
・個人再生予定
・方針検討中(一番多い)

実際には「方針検討中」で送られてくることが最も多いです。
弁護士や司法書士が、まず債務の全体像を調査してから方針を決めようとするためです。

受任通知のあとは、基本的に放置です

受任通知が届いたあと、特別な事情がない限り、サラ金側は3〜6ヶ月ほど様子を見ます。
弁護士や司法書士から具体的な提案や方針が来るのを待つだけです。

つまり弁護士に依頼した瞬間、取り立ては止まります。
すぐに何かが動くわけではなく、しばらくは静かな時間が続きます。

ただし「特別な場合」は動きます。
たとえば次のようなケースです。

サラ金側が動くケース(例外)

・他の債権者から差し押さえが入っており、財産があるとわかっている場合
・勤務先がはっきりしていて、相応の収入があるとわかっている場合
・弁護士介入後、長期間まったく何も動きがない場合

こういったケースでは、給与や口座の差し押さえ申し立てを検討することがあります。
ただ、差し押さえの申し立ては、まず裁判をして、判決が出て差し押さえの申し立てしてになるので、手続きは早くても3ヶ月はかかります。


その間に破産申し立てをされてしまうと費用倒れになるため、
慎重に見極めながら判断します。

任意整理の場合|交渉内容で結果が大きく変わる

弁護士から「任意整理で進める」という提案が来た場合は、残債に対してどれだけ払うかの交渉になります。

ここで弁護士や司法書士の選び方を間違えると、
交渉なしでサラ金側の言い値(和解日までの元金+利息+損害金)で、
将来利息なしの5年分割という条件で和解になってしまうことが多くあります。

最低でも「元金のみでの和解」に持ち込んでくれる弁護士を選んでください。

任意整理・過払い金請求は、誰に頼むかで結果が大きく変わります。

弁護士の見分け方については別記事で詳しく書いています

弁護士・司法書士が介入するとサラ金はどう動くか|サラ金支店長が社内の流れを全部解説

自己破産の場合|申し立てまでは基本的に様子見

破産の場合、申し立てがあるまでサラ金側は基本的に動きません。
差し押さえをしようと思えばできますが、手続きに3ヶ月以上かかります。


その前に破産申し立てをされてしまうと費用倒れになるため、ほとんどの場合は放置して申し立てを待ちます。

通常、破産を申し立てても、裁判所からサラ金会社に連絡は来ません。
本来は弁護士や申立人が「破産事件受理票」をサラ金に送るべきなのですが、実際には約半分のケースで送られてきません。

こちらから弁護士に確認して初めてわかることもあります。

サラ金側が申し立てを知るのは、裁判所から届く「意見申述期間の通知」が来てはじめて、というケースも珍しくありません。

自己破産すると消費者金融側で何が起きるか、より詳しくはこちら。

自己破産すると消費者金融側で何が起きる?受任通知後の流れと業者側の本音を現役支店長が解説

免責に意見を出すケース

破産手続き中、免責不許可事由に該当する事実があれば、サラ金側は意見書を提出することができます。

実際に私も何度か提出しました。
記憶に残っているケースをひとつ紹介します。

実例|僕が見た免責不許可になった人

もともと教師だったその人は、パチンコにはまり借金をし、競馬にも手を出しました。
借金が返せなくなり、教師を退職。
退職金で返済しました。

その後、新たな職場でお金を横領してギャンブル資金に充てるようになり解雇、両親が弁済したものの、また借金を重ねました。

最終的には詐欺行為でギャンブル資金と返済資金を作ろうとしていた事実も判明し、ギャンブルによる免責不許可となりました。

こうした明らかな不正が認められる場合は意見書を提出しますが、通常は意見を出しません。
多少の免責不許可事由であれば、ほとんどのケースで免責は決定されるからです。

免責が決定し、その後確定すると、信用情報に破産の登録を残したまま残債を0円に更新します。
破産した事実は信用情報に記録されるが、残債務はないという感じです。

個人再生の場合|ほぼ放置

個人再生の場合は、申し立てがあると差し押さえが禁止になります。
そのため、申し立て前に債務名義を持っていた場合は差し押さえを検討することもありますが、基本はほぼ放置です。

受任から3〜6ヶ月後に「いつ頃申し立て予定か」と弁護士に問い合わせることはありますが、基本的には申し立てを待つだけです。

個人再生は弁護士にしか依頼できません。
頼むのであれば直接裁判所に赴くことができる、地元の弁護士に頼むことをおすすめします。

任意整理・自己破産・個人再生の違いと選び方はこちら。

任意整理・自己破産・個人再生の違い|借金が苦しい人が知っておきたい選択肢

現役支店長から、借金で苦しんでいる人へ

借金は、払えなくなってきたとき、放置すると悪い方向にしか進みません。
取り立て厳しくなり、遅延損害金が膨らみ、精神的にも追い詰められていきます。

弁護士や司法書士に頼むことは、逃げることではありません。
正しい手順で解決するための選択です。

手続き別・依頼先の選び方まとめ

・自己破産:誰に頼んでも結果は大きく変わりません。費用の安いところでOKです。
・個人再生:弁護士一択。地元の弁護士に依頼してください。
・任意整理・過払い金請求:誰に頼むかで結果が大きく変わります。慎重に選んでください。

まずは無料相談だけでも受けてみてください。話を聞いてもらうだけで、かなり気持ちが楽になります。

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