【実録】「金貸さなきゃ破産するぞ」22歳に言われた話。

サラ金で30年も働いていると
人間が変わる瞬間を見ることが何度もある。

最初は「助けてほしい」と言っていた人が、
融資して感謝もしてくれたのに。

支払いに追い詰められると別人になる。

今日は最近あったそんな話を書いていきます。

22歳の男から電話がかかってきた

申し込みしてきたのは22歳の男性。
不動産会社勤務、勤続2年、年収350万円。

でも声は、かなり切迫していた。

22歳

すぐに20万円必要なんです。

事情を聞くと、すでに何社にも申し込んでいる。
でもどこにも審査が通らない。

なぜそこまで追い込まれたのか。

一つの喧嘩が、人生を狂わせた

酔って喧嘩になり、相手にケガをさせてしまった。

後日、弁護士が介入してきた。
慰謝料150万円を請求された。


「払わなければ警察に被害届を出す」と言われた。
被害届を出されると、会社や家族に迷惑がかかる。
妻と子供の生活も心配だった。

親に泣きつき、100万円を用意してもらった。

残りの50万円は自分で用意しろと言われた。

50万円ならなんとかなると思い、何社か申し込みした。
ただ、ほとんどの会社が「10万円まで」と言ってくる。
それでは足りないと思い、断り続けた。1社で50万円、まとめて借りたかった。

なかなか借りられないうちに期日が迫った。

結局、相手方に「残りの50万円は10万円を5回に分けて払わせてほしい」と交渉し、了承してもらった。

これで当面の危機は乗り越えた。
しかし、今度は毎月の生活が回らなくなっていく。

今回はその生活費20万円を借りに来たということだった。

給料23万円から、消えていくお金

毎月の給料は23万円。

その中から、慰謝料の分割が毎月10万円消える。

さらに、傷害事件を起こしてしまったことを妻に話した。
お酒でのトラブルは、これが初めてではなかった。

離婚を切り出された。

毎月、生活費と養育費として5万円払うことになった。

整理するとこうなる。

給料 23万円
慰謝料 ▲10万円
養育費 ▲ 5万円
家賃  ▲ 6万円
残り   2万円

どう考えても、生活できない。

そこで「せめて10万円だけでも」と思い申し込みを続けたが、
2か月で約50件申し込んだ結果、いわゆる「申し込みブラック」の状態になっていた。

さらに過去には3か月以上の延滞歴もあった。

普通なら、かなり厳しい状況だ。

それでも融資した理由

信用情報を確認すると、借入自体は2件で20万円ほど。
年収350万円に対して、この金額は少ない。

正直、逆に違和感があった。

反社チェックも問題なし。

本人の話では、今後は実家に引っ越す予定とのことだった。
家賃と光熱費がかからなくなり、食費も浮く。
それなら毎月の返済は十分可能だと判断できた。

この年収なら、まだ立て直せる可能性はある。

そう判断して、20万円を融資した。

「本当に助かりました」

契約のため来店した本人は、満面の笑みだった。

22歳

本当に助かりました
ちゃんと返します

すごく感謝していた。

こういう言葉は、現場では何度も聞く。
その瞬間は本気でそう思っている人も多い。

でも、支払いがきつくなると、人の言葉は簡単に変わる。
それも知っている。

2か月で延滞

結果だけ言うと、2か月で延滞した。

電話しても出ない。
郵便を送っても連絡なし。
自宅に訪問し、手紙を入れて帰った。


後日、ようやく本人から連絡がきた。

22歳

支払いできなくてすいません

ここまではよくある話だ。


でも、そのあとに続いたのは

22歳

追加で融資してほしい

という言葉だった。

サラ金支店長
サラ金支店長

支払いしていない状態で追加の融資はできません。


融資希望の理由を聞くと、暴行事件のときの弁護士費用がまだ払えていないとのことだった。

サラ金支店長
サラ金支店長

まず滞納してる分を支払って下さい。

サラ金支店長
サラ金支店長

継続的に返済できると判断できなければ追加の融資はできません。


そう伝えた。

ここで少し余談を挟む。

この22歳が「申し込みブラック」になったのは、焦って片っ端から申し込んだからだ。

でも実際は、申し込む前に動ける手がある。
延滞が始まった段階で弁護士や司法書士に相談していれば、選択肢はもっとあった。

「相談=負け」じゃない。
むしろ早く動いた人ほど、傷が浅く済む。

 【無料相談はこちら】
こちらの2件は30年間僕がいろいろな弁護士と交渉してきた中で、
紹介できると厳選した法律事務所です。


一度は立て直しかけた

その後の2か月は、支払日までにきちんと入金があった。
未納分もちゃんと入金された。

サラ金支店長
サラ金店長

(これで少し立て直すかもしれない…)

そう思ったタイミングで、また電話がきた。

22歳

滞ってた分も払ったし、毎月払ってる。
だから追加で融資してほしい

理由は、養育費が払えないから。

22歳

貸してくれないなら他の会社から借ります。

まだ様子を見たいと伝えると、態度が変わった。

22歳

じゃあ他の会社から借りていいのか?
おたくの利益減るぞ!

22歳

ヤミ金しか貸してくれないけどいいのか!
助ける気ないのか!

最初の低姿勢とは、別人だった。

それでも貸した

態度は悪かったが、信用情報を確認すると、他社借入は12万円まで減っていた。

うち以外は、ちゃんと払っていた。

サラ金支店長
サラ金支店長

(うち以外は払ってるのか…)

正直そう思った。

本人に「次に遅れたら追加融資は一切しない」と念を押して、10万円の追加融資を行った。

ここでもう一つ余談を。

「払える会社と払えない会社が出てきた」という状態は、借金整理のサインだ。

全部まとめて月々の返済を減らせる可能性がある。知らないまま放置すると、この22歳のようにどんどん選択肢が狭くなっていく。

借金から抜け出す具体的な方法はこちらにまとめました

収入はある。節約もしてる。それでも残らない人へ  家計が崩れる『3つの穴』と直す順番|とあるサラ金店長の 借金脱出&家計再建

お店に来ると人は変わる

本人が来店したとき、驚いた。

あれだけ電話で強気だったのに。

「申し訳ありませんでした」
「本当に感謝しています」
「もう裏切りません」
「必ず返済します」

完全に低姿勢だった。

借りるときだけ態度がいい。
正直、調子がいいなとは思う。
でもこれも、よくある流れだ。

電話では強気。
来店すると低姿勢。
そしてまた崩れる。

そして、例の電話がきた

追加融資後の支払日、しっかり遅れた。

連絡もつかなくなった。

しばらくして、本人から電話がきた。

22歳

親に相談したら、弁護士を入れて自己破産しろと言われました。

ここまではまだありえる話しだ。

でも、そのあとに続いた言葉が忘れられない。

22歳

僕が自己破産したら、回収できなくなりますよね?

一拍おいて、こう続けた。

22歳

僕も破産したいとは思ってない。
僕が自己破産するのは両方のデメリットになる。

22歳

自己破産してほしくないなら、僕に10万円融資してください。

言葉が出なかった。

支払いもしない。連絡もしない。それでいて、借りられないとわかった途端、脅しのような言葉に変わった。

サラ金支店長
サラ金支店長

あなたを信じて融資しました。その結果がこれは残念です。
追加融資はできません。

サラ金支店長
サラ金支店長

支払いはしっかりしてもらいます。
できないなら弁護士に頼んでもらって結構です



そう伝えて、電話を切った。


その後も

「ヤミ金から借りてもいいのか」
「返済してもらいたくないのか」
「困ってる人を救う気はないのか」
「借りられる会社を教えろ」



と言われ続けたが、継続的な支払いがない限り融資はできないと断った。

実家にも、いなかった

電話がつながらないため、以前聞いていた実家の住所を訪ねた。
前回融資した時に、もう実家に住んでいるから支払いは大丈夫と聞いていたからだ。

両親は出てきた。息子が離婚したことは知っていた。

でも、実家に帰ってくるという話は、まったく聞いていなかった。
本人はそこに住んでいない。連絡もつかないと言う。

融資を決めた根拠が、嘘だった。

あの電話から1か月以上が経つ。いまだに入金も連絡もない。

今となっては、どこまでが本当の話だったのかもわからない。今後は法的手続きに移ることになると思う。

借金で人は変わる

最初は「助けてほしい」「申し訳ない」と言っていた人が、追い詰められると変わっていく。

交渉する。開き直る。立場を逆にしようとする。

これは特別な話じゃない。現場では、よくある流れの一つだ。

そして30年見てきて思うのは、借金で崩れる人は最初からダメな人ではないということ。

ほんの少しのきっかけで、一気に崩れる。

崩れる前に動ける手がある

この22歳も、もっと早く動いていれば結果は違ったかもしれない。

任意整理や過払い金請求は、正しい相手に頼めば思っているより早く動き出せる。
自己破産だって、追い詰められてからより、早めに相談した方が選択肢が広い。

ただし、頼む相手で結果が全然変わる。

「もっと早く相談すればよかった」という人を、現場で何人も見てきた。

 【無料相談はこちら】
こちらの2件は30年間僕がいろいろな弁護士と交渉してきた中で、
紹介できると厳選した法律事務所です。



僕自身が借金3000万円から生活を立て直した方法


実は僕自身も、離婚・介護・詐欺で3000万円の借金をしたことがあります。
毎月赤字で借金を増やしていく生活を送っていました。


そんな生活から家計を再建した過程や、立て直しの考え方はnoteにまとめています。

「債務整理一択なのか、それとも再建できるのか」を考えたい方は
そちらも参考にしてください。


とあるサラ金店長の 借金脱出&家計再建|note