【実録】闇金からの嫌がらせ「店を閉めろ」と脅迫電話。その後、消防車が5台来た話

今から20年ほど前の話です。

当時は今よりも闇金が身近な時代でした。
雑誌の裏表紙には広告が載り、電柱にはチラシが貼られ、ポストには融資案内が入る。

今では考えにくいかもしれませんが、それが珍しくなかったんです。

そんな時代に、僕は消費者金融会社で審査・決裁担当をしていました。
申込内容を見て、「いくらまで貸せるか」「融資して問題ないか」を最終的に判断する仕事です。

闇金(ヤミ金)から借りているお客さんを、何人も見てきた

当時、申込みに来る人の中に、すでに闇金から借りてしまっている人が思っていた以上に多くいました。

10日で1割、あるいはそれ以上の金利で借りてしまい、返済が回らなくなっている。

そんな人たちが、最後の頼みのように申し込みに来るんです。

僕は営業成績のこともありましたが、
それ以上に、目の前の人を何とか助けたいという気持ちがありました。

審査が通る人には、闇金を完済できるだけの金額を上乗せして融資する。
審査が通らない人には、警察や闇金対応に慣れた弁護士を紹介する。

それが一番助けになる方法だと思っていました。

「名無しの権兵衛」から始まった一本の電話

ある日、いつものように融資の申込み電話が入りました。

若き日の店長

それでは、お申し込みを受け付けます。
まず、お名前を教えていただけますか?

すると、電話の向こうの男がこう言いました。

ヤミ金

名無しのごんべえってもんだけど。

少し横柄な感じでした。

いたずら電話かな、と思いながら、僕は聞き返しました。

若き日の店長

それは本当のお名前ですか?  漢字を教えていただけますか?

いたずらなら、ここで切れる。
そう思っていたのですが、男は切りませんでした。

ヤミ金

お前んとこ、ずいぶん身勝手な融資してるみたいだな

意味がわかりませんでした。

若き日の店長

どういうことですか?

ヤミ金

誰にでも貸してるみたいじゃねーか。
俺にも貸せよ。

正直、このくらい態度の悪い申込者は珍しくありません。

他社で何件も断られて、どうせここでも無理だろうと思いながら、最初からケンカ腰で電話してくる人は実際にいました。

だからこの時点では、変な人だなと思う程度でした。

若き日の店長

審査して問題なければ融資可能ですよ。

いつも通りそう答えると、男は少し笑うような口調で言いました。

ヤミ金

お前、俺にも貸せるんだ。
返さないけどな。

そして続けてこう言いました。

ヤミ金

お前らに迷惑かけられてるんだわ

若き日の店長

どういうことですか?

ヤミ金

お前らが無茶苦茶に貸して、俺らのとこ完済させてるからだろうが

そこで初めて、相手が普通の申込者ではないと気づきました。

若き日の店長

どちらかの金融会社の方ですか?

そう聞くと、男は吐き捨てるように言いました。

ヤミ金

自分で考えてみろや

そして、少し間を置いてこう続けました。

ヤミ金

1週間以内に店閉めろ。じゃないと潰しに行くぞ

20回線の電話が、全部同時に鳴った

その言葉が終わるか終わらないかのタイミングでした。

僕がいた支店には、20回線ほどの電話がありました。
それが、まるで合図でもあったかのように全部同時に鳴り出したんです。

一瞬、何が起きたのかわかりませんでした。

他の従業員が電話に出ます。

すると受話器の向こうから聞こえてきたのは融資の相談ではありませんでした。

「俺にも金貸してくれや」

「今から行くから金用意しとけ」

「お前らの自宅の住所特定してるからな」

「いつでも襲える準備はできてるぞ」

そんな罵声や脅しばかりです。

電話を切ってもすぐ別の回線が鳴る。

出てもまた脅迫。

切ってもまた脅迫。

店舗全体が異様な空気になりました。

受付の女性従業員も電話を取っていました。

顔が青ざめている人もいます。

明らかに動揺している人もいました。

その様子を見た瞬間、僕は気付きました。
もしかして、これは闇金ではないか。

そこで僕は最初に電話をかけてきた男に聞きました。

若き日の店長

「あなた、闇金の方ですか?

すると男は笑いながら言いました。

ヤミ金

普通の金貸しだよ

もちろん信じていません。

ヤミ金

俺らのこと舐めてるから電話してるんだろーが
お前らがやったこと反省しろ

そして最後に、男はこう言いました。

ヤミ金

今、プレゼント送っといたから。楽しんでくれ。

すると、それまで一斉に鳴っていた20回線の電話も、ぴたりと止まりました。

あまりにも不自然で、逆にぞっとしたのを覚えています。

プレゼントの正体は、虚偽の119番通報だった

僕たちはいったん業務を止めて、全員で状況を確認しました。
誰がどんな電話を受けたか。

何を言われたか。
同じ人物か、複数か。

話を整理すると、結論は自然と見えてきました。

最近、闇金から借りているお客さんをまとめて完済させることが続いていた。
そのことで、どこかの闇金が怒って嫌がらせを始めたんだろう、と。

「プレゼント送っといた」と言われたいう言葉も共有しました。

当時、闇金の嫌がらせといえば、頼んでもいない出前の大量注文やFAXの連続送信といった話を、利用したことがあるお客さんから聞いたことがありました。

だから最初は、その類かと思っていました。

会社として警察に被害届を出すこと。
個人的に何か起きたら迷わず連絡すること。
そう確認し合っていた、その時です。

外からサイレンの音が聞こえてきました。

当時、僕が勤めていた支店は人口100万人以上の都市の中心部にありました。
駅から近く、大型デパートが立ち並ぶ大通り沿いです。

窓から外を見ると、消防車が目の前に止まっていました。

最初は近くで火事かと思っていました。

ところがサイレンは止まりません。

1台、2台、3台——。

窓から見えるだけで5台以上。
救急車も来て、パトカーまで到着し、大通りが通行止めになりました。

歩行者が足を止め、野次馬が集まり始める。

そこにまた電話が鳴りました。

電話に出るとさっきの男でした。

ヤミ金

今、窓から外見てるよな

電話の向こうからも、サイレンの音が聞こえました。

近くにいる。

ヤミ金

いいもの見れたか。ウジャウジャ来て賑やかになっただろ

若き日の店長

あなたが呼んだんですか?

すると男は笑うように言いました。

ヤミ金

窓から外見てる顔、覚えたからな

そして最後にこう言い残しました。

ヤミ金

来週中に店閉めなきゃ、次はお前が被害にあうからな

電話は切れました。

しばらくして、消防隊員が支店に入ってきました。

消防員

こちらの事務所が火事で燃えているという通報がありました

虚偽の119番通報でした。

消防車も、救急車も、パトカーも、すべてそのためでした。

消防隊員には事情を説明しました。大量の嫌がらせ電話があったこと。脅迫電話があったこと。そして今まさにその人物から再び電話があったこと。

消防員

今後も同じことが起きる可能性があります。必ず警察に被害届を出してください

そう言われました。

この件で、僕はやり方を変えた

この件以来、闇金から借りている人を自社融資でまとめて完済させるやり方をいったんやめました。

困っている人には、警察か闇金対応に慣れた弁護士へ相談するよう伝える。
自分たちだけで正面から抱え込まない。
そう変えたんです。

あの時やっていたことが間違いだったとは、今でも思っていません。
実際に闇金から抜け出せた人もいましたし、「助かりました」と言ってくれた人もいました。

ただ、僕だけならまだしも、周りの従業員やその家族まで危険にさらすわけにはいきません。

あの日、消防車やパトカーが集まる様子を見ながら感じたのは、闇金は借りた本人だけを相手にするわけではないということでした。

関係のない人まで巻き込み、職場や生活そのものを壊しにくる。
だからこそ、闇金問題は個人や一企業だけで抱え込むものではない。

専門家や警察の力を借りながら対応するべき問題なんだと、身をもって学んだ出来事でした。

闇金の嫌がらせや取り立てで困っている人へ

僕は30年近くこの業界にいましたが、普通の借金問題と
闇金問題は別物だと思っています。

通常の借金であれば、返済計画の見直しや債務整理で解決の道筋が見えます。

でも闇金は最初から法律を守るつもりがない相手です。

こちらの常識で考えると、かえって対応を誤ることがあります。

実際、借りてもいない僕の勤務先ですら嫌がらせの対象になりました。

だから、

・返済が苦しくて追い詰められている
・電話やLINEが怖くて落ち着かない
・家族や職場に連絡されそうで不安
・すでに嫌がらせが始まっている

そんな状況なら、一人で何とかしようとしないでください。

闇金対応に慣れた弁護士や司法書士であれば、取り立てを止めるための動き方や、今後どう対応すべきかを整理してくれます。

実際、こういう問題は早く相談した人ほど日常を取り戻すのが早いです。

僕が見てきた限り、闇金問題は「我慢した人」より「早く相談した人」の方が早く解決しています。

一人で抱え込まず、まずは相談してみてください。

【無料相談できるおすすめの闇金対応の法律事務所はこちら】

まとめ

闇金は、借りた人だけを追い詰める相手ではありません。
周囲を巻き込み、生活や仕事そのものを壊しにくることがあります。

僕自身、借りてもいないのに職場ごと狙われ、虚偽通報で消防車を呼ばれるという経験をしました。

あれ以来、闇金は「話せばわかる相手」ではないと認識しています。

もし今悩んでいるなら、一人で抱え込まず専門家を頼ってください。

僕自身が『借金3000万円』から生活を立て直した方法

実は僕自身も、離婚・介護・詐欺で3000万円の借金を抱えたことがあります。
毎月の赤字を借金で埋める、出口の見えない生活でした。

そこから家計を立て直してきた「順番」と「考え方」は、noteにまとめています。

・借金100万〜300万円くらいで、毎月ギリギリの人
・債務整理一択なのか、それとも家計から再建できるのか迷っている人

に向けて書いた、実体験ベースの教材です。

「今の自分は、債務整理に踏み切るべきか」
「まだ家計から立て直せるのか」

を考える材料として使ってもらえればと思います。

📘 メイン教材
家計立て直しの教科書|借金3000万円から再建してきた今だからわかる立て直しの『順番』

家計立て直しの教科書|借金3000万円から再建してきた今だからわかる『順番』|とあるサラ金支店長の 借金脱出&家計再建

🔍 あなたの状況に近いテーマから読めます(順次公開予定)

・借金100万円/200万円/300万円からの立て直し
・シングルマザーの家計再建
・自営業・フリーランスの立て直し
・副業できない人(公務員など)の立て直し
・リボ払いからの立て直し

👉 とあるサラ金店長の「借金脱出&家計再建」|noteはこちら

とあるサラ金支店長の 借金脱出&家計再建|note

ABOUT US
サラ金支店長
サラ金支店長

消費者金融の現役支店長。業界歴30年。融資・審査・延滞管理・回収・弁護士対応まで、借金に関わる実務を現場で経験。お金を貸す立場でありながら、自分自身も約3,000万円の債務を抱えた経験があり、現在も返済を続けています。貸す側の現場と借りた側の当事者経験、両方の視点から発信しています。

▶ 詳しいプロフィールはこちら