サラ金(消費者金融)の支払いが遅れると、会社から督促の電話がかかってきます。
着信を見て
「出たら怒鳴られるのでは」
「強い言い方をされるのでは」
と不安になる人は少なくありません。
そのまま電話に出られず、着信を無視し続けてしまう人もいます。
ただ、実際の督促電話は、テレビドラマや昔のイメージとはかなり違います。
私は消費者金融業界で30年勤務し、現在も支店長をしています。
融資判断の最終決裁に関わってきた立場として、返済が遅れたお客様への連絡も数多くしてきました。
この記事では、以下の3つの疑問に、かける側の視点からできるだけ正直に答えます。
・督促電話に出ないとどうなるのか
・実際に電話で何を言われるのか
・払えないと伝えたとき、相談には乗ってもらえるのか
督促電話でいきなり怒鳴られることはあるのか

最初にはっきり言います。
今の消費者金融の督促電話で、いきなり怒鳴ったり脅したりすることは、まともな業者ならまずありません。
昔は今では考えられないような対応があった時代もあります。
しかし現在は、通話の録音も簡単にできる時代です。
言い過ぎや不適切な督促は、そのまま証拠として残ります。
貸金業法では取立行為に関する規制があり、不当な手段は認められていません。
具体的には、正当な理由なく午後9時から午前8時の間に連絡することや、勤務先など関係のない第三者に取立てのことを知らせることなどは禁止されています。
そのため、実際の電話はかなり事務的です。少なくとも初期の督促電話は、感情的に責める場ではなく、入金確認と今後の予定確認の場だと考えたほうが実態に近いです。
督促電話では実際に何を言われるのか
延滞して数日以内にかかる最初の電話は、だいたい次のような内容です。
「○○様でしょうか。お支払いの確認でご連絡しました。今月分のご入金がまだ確認できておりません。ご入金のご予定はいつ頃になりますか?」
実際には、この程度のやり取りから始まることがほとんどです。
この段階では、会社側もまず事情を把握したいと考えています。
うっかり忘れていた、口座残高が足りなかった、給料日後なら払える、といったケースもあるからです。
督促電話の流れは延滞期間で変わる

督促電話の内容は、延滞期間が長くなるほど少しずつ変わります。
延滞から数日〜1週間程度
基本的に確認電話です。いつ入金できるか予定を聞き、具体的な日付が出ればその日まで様子を見ます。この段階では、口調も穏やかで事務的なものがほとんどです。
延滞1〜2週間程度
一度約束した日までに支払いが確認できないと、再度連絡が入ります。
この頃から電話の頻度が少し増えます。
「先日○日とお聞きしていましたが、ご入金が確認できておりません」といった形で、約束の確認が入ります。
延滞1か月前後
約束不履行が続くと、確認電話の回数が増えたり、書面での案内が始まったりします。
口調もやや厳格になりますが、基本は事務的です。
罵倒などはありませんが、支払いの約束をきつく念押しされるので、怒られていると感じる方もいるかもしれません。
延滞2〜3か月以降
法的手続きに進むかどうかの判断が現実的になります。
「このままお支払いがない場合は、法的手続きの検討に移ります」といった説明が入ることがあります。
延滞3か月以降〜その先
書面による督促、債権管理部門への移管、裁判所を通じた手続きなど、より正式な対応に進む可能性があります。
最終的には支払督促や訴訟に発展するケースもあります。こ
の段階になると、電話での話し合いによる解決は難しくなります。
督促電話に出ないとどうなるのか
電話に出たくない気持ちはわかります。ただ、無視を続けても問題が消えることはありません。
電話の回数が増え、時間帯を変えて連絡が来て、書面での督促に切り替わります。そして「話し合いによる解決は不可能」と判断され、法的対応の検討が早まります。
連絡がつく人と、まったく連絡がつかない人では対応が変わります。話し合いの余地があるかどうかの判断に大きく影響するからです。
電話に出ないことは、解決ではなく先送りです。
具体的に何が起きるかを時系列で整理すると、次のようになります。
電話無視が続いた場合の流れ
- 電話の回数が増える(朝・昼・夕と時間帯を変えてかかってくる)
- 自宅への書面送付が始まる
- 連絡が一切つかない状態が続くと、債権管理部門へ移管される
- 法的手続き(支払督促・訴訟)の検討に入る
- 裁判所から通知が届く
この流れを早めるのが「完全な無視」です。出られない事情があるなら、一度でも折り返して状況を伝えるだけで、流れが変わることがあります。
自宅への訪問や職場への連絡はあるのか
「取り立てが自宅に来るのでは」と心配する方もいます。
基本的には自宅に訪問するのはかなり後の段階です。
ただ、電話での連絡がまったくつかない状態が続いた場合や、他の連絡手段がすべて機能しなくなった場合早い段階での訪問も考えられます。
職場への連絡も同様です。
貸金業法上、正当な理由がなければ勤務先への連絡は制限されています。
ただし、申込時に緊急連絡先として職場を登録している場合は別の話になることがあります。
いずれにせよ、電話に出て話し合いの余地を示している段階では、自宅訪問や職場連絡が起きることはほぼないと思ってください。
払えないと伝えたとき、相談には乗ってもらえるのか
結論から言うと、相談には乗ります。
ただし「相談に乗る」というのは、事情を聞いた上で一緒に解決策を考えるという意味です。
無条件に待ってもらえる、という意味ではありません。
払えないと言ってきたお客様に、私がまず聞くのは「なぜ払えないのか」という理由です。
そして「自分としてどうしたいのか」を聞きます。
1週間待ってほしいのか、来月まとめて払いたいのか、弁護士に頼むのか。
自分の意思を持って話してくれる人には、こちらも話を聞く姿勢になります。
分割払いや返済猶予の相談はできるのか
これはケースによります。
一時的に収入が減った、急な出費が重なった、といった事情で
「今月だけ待ってほしい」「来月から少額ずつ払いたい」
という相談であれば、話し合いの余地はあります。
すべての業者が必ず応じるとは言えませんが、解決に向けて動こうとしている姿勢があれば、頭ごなしに断られることはまずありません。
ただし、毎月遅れていて今回も払えない、という状況では話が変わります。
この場合は「なぜ毎回改善されないのか」「今後どう払っていくのか」を具体的に聞きます。
同じことを繰り返しているなら、根本的に何かを変えなければ解決しないからです。
こちらから電話して相談することはできるのか
できます。むしろ、そのほうがいいです。
督促電話を待って出るより、自分から連絡して事情を説明するほうが、こちらの印象は明らかに違います。
「逃げていない」という事実だけで、対応が変わることがあります。
連絡先は契約書類や明細書に記載されています。
督促電話の着信番号にかけ直すことでも繋がります。
対応はその人の履歴によって変わる
これまで遅れがなかった人
急な事情が重なることは誰にでもある。
事情を話してくれれば、わりと柔軟に話を聞きます。
毎回遅れている人
なぜ毎回改善されないのか、今後どう払っていくつもりか、具体的な計画はあるのかを厳しく聞きます。
責めているわけではなく、同じことを繰り返さないための確認です。
「払える人」と「払えない人」、電話口での違い
30年督促電話をかけ続けてきて、電話口の話し方でその後どうなるかがある程度わかるようになりました。
払えると感じる人の特徴
ちゃんと理由を話せる人です。
何にお金を使ったから今月は払えない、来月からはこうするので払える。
このように具体的に説明してくれる人は信用できます。
根拠がある言葉は、聞いていて伝わってくるものです。
払えないと感じる人の特徴
この場しのぎで「○日に払います」と言うだけで、根拠がない人です。
特に「誰かに借りて返す」という人は心配になります。
借りて返そうとしている時点で、返済の見通しが立っていないことが多い。
そういう人は結局、状況がさらに悪化していくケースが多かったです。
「払います」を繰り返すとどうなるか
「今週中に払います」→払わない。
「来週なら払えます」→払わない。
これが2回、3回と続くと、会社側の見方は変わります。
「前回もご入金のお約束をいただいていましたが、確認が取れておりません。今回は、いつ・いくらご入金できるのか、具体的に教えてください。このまま状況が変わらない場合は、今後の手続きを進めることになります」
払えないのに「払います」と言い続けることは、状況改善にはつながりません。
この場しのぎの嘘をつく信用できない人という印象で、むしろ法的手続きへの移行を早めるだけです。
払えないときは何をどう伝えるべきか

払えない事情があるなら、できる範囲で正直に伝えるほうが現実的です。
- 「体調を崩して仕事を休んでおり、今月の支払いが難しいです」
- 「今月は急な出費が重なり、満額は難しいですが、○日なら一部入金できます」
- 「給料日が○日なので、その日にいくら支払える見込みです」
大事なのは具体的に伝えることです。いつ・いくら・なぜ難しいのかを伝えるほうが、相手も判断しやすくなります。曖昧な「そのうち払います」は、かえって状況を悪化させます。
「弁護士に相談します」と伝えたらどうなるか
返済の見通しが立たない場合、弁護士や司法書士への相談は現実的な選択肢です。
弁護士や司法書士から貸金業者へ受任通知が届くと、貸金業者が債務者本人へ直接取り立てすることは法律上できなくなります。
督促電話の心理的負担が止まるだけでも、状況整理はかなりしやすくなります。
消費者金融側は「弁護士に頼まれると困る」と思われるかもしれませんが、実態は逆です。
電話にも出ずに放置して支払いもない状態が続くより、解決に向けて動いてもらったほうが、業者側としてもありがたいというのが本音です。
本当に支払い継続が難しいなら、早めに専門家へ相談することには意味があります。
まとめ|督促電話への正しい向き合い方
今の消費者金融の督促電話は、昔のイメージとは違います。
怒鳴られることはまずない。相談すれば話を聞いてもらえる可能性がある。ただし、無視し続けることと、払えないのに払うと言い続けることは、どちらも状況を悪化させます。
払えない事情があるなら正直に伝える。見込みが立たないなら専門家に相談する。何もしないまま時間だけ過ぎると、取れる選択肢は少なくなっていきます。
これが、30年この仕事をしてきた中でいちばん強く感じる現実です。
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支店長からひとこと
電話口で「○日に払います」とだけ言う人と、「こういう事情があって、来月からこう払います」と説明してくれる人では、こちらの対応が変わります。
根拠のある言葉は伝わります。追い詰められているときほど、正直に話してほしいと思っています。
僕自身が『借金3000万円』から生活を立て直した方法
実は僕自身も、離婚・介護・詐欺で3000万円の借金を抱えたことがあります。
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