借金が返せない。
そう気づいたとき、人は冷静ではいられません。
「とりあえず今月だけしのごう」
「電話は無視しておこう」
「あと10万円だけ借りられれば立て直せるかもしれない」

こうして動いた結果、助かった人より、余計に悪化した人を僕は何千人と見てきました。
僕は消費者金融の現場で30年、支店長として多くの返済相談や延滞案件を見てきました。
そして実は僕自身も、離婚、介護、詐欺被害をきっかけに3000万円の借金を背負い、そこから立て直した経験があります。
立て直せた理由は、
お金に追い詰められる人がやってしまう行動パターンを、
現場で嫌というほど見てきたからです。
だから断言できます。
借金が返せないときに大事なのは、
『正しいことをたくさんする前に、間違ったことをしないこと』です。
法テラスも、借金が返せない状態を
「収入と支出のバランスが崩れている状態」と整理しており、
こうしたときは専門家への相談や債務整理の検討が必要になると案内しています。
この記事では、サラ金支店長として見てきた「悪化する人」の共通点から、
最初にやってはいけないこと5つをお話しします。
借金が返せないとき、最初にやってはいけないことはこの5つ
先に結論を言います。
借金が返せないときにやってはいけないのは、次の5つです。
- 放置する
- 別の借金で穴埋めする
- 連絡を無視し続ける・嘘をつく
- 借金総額と家計を把握しない
- 相談を先延ばしにする
どれも、その場しのぎでは楽に見えます。
でも現場では、この5つをやった人ほど立て直しが遅れました。
借金が返せないのに「放置する」のは一番危ない
借金で困った人が最初にやりがちなのが、見ないふりです。
・返済日を過ぎてもそのまま。
・郵便物を開けない。
・SMSも着信も無視する。
・頭の中では「今は無理だから、少し落ち着いてから考えよう」と思っている。
でも、これは本当に危ないです。
現場目線でいうと、早めに連絡してくる人は、返済する意思がある人だと受け取られやすいです。
一方で、完全に放置する人は、借りるときだけ連絡して、返す時には無視する。
返済意思が見えにくい人だと受け取られやすくなります。
延滞や対応状況は、その後の審査で不利に働く可能性もあります。
少なくとも、借りる側にとって有利になることはありません。
借金を放置した先には、督促だけでなく、法的手続きに進む可能性があります。
その過程で裁判所からの書類や差押えなど、生活や家計に影響が広がることもあります。
支店長として何度も見たこと
返せないこと自体より、放置したことで選択肢を失う人が多いです。
返済相談、任意整理、家計の見直し。
本当は早い段階ならできたことが、放置したせいで難しくなる。
これが現実です。

別の借金で穴埋めするのは「延命」であって解決ではない
次に多いのが、他社から借りて今月分だけ返すという行動です。
これも、本人は真面目です。
払う意思があるからこそ、借りて返そうとする。
でも私はこれで立ち直った人より、傷が深くなった人を圧倒的に多く見てきました。
なぜか。
理由は簡単で、返せない原因が消えていないからです。
・毎月の返済額に対して収入が足りない。
・生活費が回っていない。
・固定費が大きい。
・他の未払いもある。
この状態で借金だけを増やせば、来月はもっと苦しくなります。
法テラスも、借金が返せない状態では、借金だけでなく未払い金や家計全体を把握することが重要だと案内しています。法テラス
さらに、貸金業者は個人向け貸付の際、指定信用情報機関の信用情報を使って返済能力を調査することが求められています。
つまり、借り回しでしのごうとしても、状況が厳しくなるほど審査が通りにくくなるのが普通です。日本貸金業協会

支店長目線で言うと
「あと1社だけ」
「今月だけ」
の人ほど危ないです。
その一言の裏で、もう家計は限界を超えていることが多いからです。
借りて返すのを続けると、本人の感覚では「まだ支払いできてる」ように見えます。
でも実際には、破綻が先送りされているだけです。
お金を借りずにどう乗り切るか。
どこかで変わらないと借金はずっと続くことになります。
連絡を無視し続ける、あるいは嘘をつく
借金で苦しくなると、人は嘘をつきたくなります。
「来週入ります」
「家族が払ってくれます」
「ボーナスで何とかします」
「今日振り込みました」
こういう言葉を、僕は何度も聞いてきました。
でも、現場の担当者は意外とわかります。
なぜなら、本当に払う人は、言い方より行動が早いからです。
そして嘘をつく人は、今月だけではなく、毎回同じようなことを言う傾向があります。
その場しのぎで嘘をついてしまう感じです。
そうなると、「どうせまた嘘だろ」と
返済相談で柔軟に動ける余地が減り、社内でも慎重な対応になっていきます。

悪化する人の特徴
借金で状況が悪化する人は、苦しいのに体裁を守ろうとします。
「困っている」と言えない。
「払えない」と認められない。
その結果、嘘が増え、信頼がなくなり、事態が固くなっていく。
現場で見ていて、一番もったいないパターンでした。
借金総額と家計を把握しない
これは本当に多いです。
「だいたい200万円くらい」
「毎月いくら払っているか正確にはわからない」
こういう状態では、解決策を考えようがありません。
借金が返せない人ほど、数字を見るのが怖くなります。
でも、立て直せる人は例外なく、どこかで数字と向き合っています。
どこからいくら借りていて、残高がいくらあるのか。
毎月いくら返していて、問題なく返せた場合はいつ終わるのか。
ちゃんと立て直そうとする人は、しっかり計画を立ててる人が多いです。
法テラスも、債務整理を考える際には、借金だけでなく未払いや滞納を含めた債務全体の正確な把握と、家計全体の確認が重要だと案内しています。法テラス
日本貸金業協会も、返済に困ったら早めに相談することや、借りる前に返済総額を計算することの重要性を案内しています。日本貸金業協会

まず見るべき数字
最低でも、次の4つは出してください。
- 借入先の件数
- 残高
- 毎月の返済額
- 手取り収入と固定費
これを紙に出すだけで、見える景色が変わります。
逆に言えば、ここをやらない人は、ずっと感情で動いてしまいます。
数字を把握したら、次は家計の構造を見直す番です。
節約しても固定費を削っても楽にならない人に共通する「3つの穴」と、塞ぐ順番を別の記事で書いています。動き始める前に、読んでおいてください。
相談を先延ばしにする
最後がこれです。
そして、いちばん深刻です。
借金が返せない人は、「もう少し自分で頑張ってから相談しよう」と思いがちです。
でも、その“もう少し”の間に悪化する人を私はたくさん見てきました。
相談というと、すぐに任意整理や自己破産を決めるイメージを持つ人がいます。
でも本来の相談は、現状を整理して、選択肢を知ることです。
法テラスは、借金が返せない場合は専門家に相談して、任意整理・個人再生・自己破産などを検討することを案内しています。法テラス
また、日本貸金業協会の相談窓口では、借入れや返済の相談、多重債務に関する相談、貸付自粛制度などの案内を行っています。日本貸金業協会

支店長として思うこと
相談が早い人ほど、傷は浅いです。
まずは一人で抱え込まないことです。
相談は消費者金融でも弁護士でも司法書士でもいいです。
ただし、弁護士や司法書士はどこに頼んでも同じではありません。
同じ案件でも頼む事務所によって、手元に残るお金が大きく変わることがある。相談の予約を入れる前に、読んでおいてください。
借金問題を専門とするおすすめの法律事務所はこちら
ただし、弁護士や司法書士はどこに頼んでも同じではありません。
返済先の相談窓口、公的機関、弁護士、司法書士など、
今すぐ相談できる先を1つ決めてください。
返済相談に応じてくれる会社もあります。
ただし、状況によっては自力での立て直しが難しく、
専門家への相談が必要になることもあります。
限界まで一人で抱えた人ほど、選べる道は少なくなります。
借金は一人で悩んでいても、自分では気づかないこと、
見えなかったことが原因という事も多いです。
借金問題は、根性で解決するものではありません。
悩んだら誰かに相談して、整理して、選ぶ問題です。
では、借金が返せないとき最初にやるべきことは何か
やってはいけないことを5つ書きました。
では逆に、最初にやるべきことは何か。
私は次の3つだと思っています。
1. 借金の全体像を紙に出す
借入先、残高、返済日、返済額、延滞の有無。
まず事実を並べる。
2. 家計の固定費を確認する
家賃、通信費、保険、サブスク、車関連。
借金だけでなく、生活そのものを見直す。
3. 早めに相談先を決める
返済相談、家計相談、法的整理。
自力で立て直せるのか、専門家に入ってもらうべきかを早めに見極める。

まとめ 悪化する人は「苦しいのに先延ばしする」
借金が返せないとき、最初にやってはいけないことは次の5つです。
- 放置する
- 別の借金で穴埋めする
- 連絡を無視する、嘘をつく
- 借金総額と家計を把握しない
- 相談を先延ばしにする
支店長として長年見てきて思うのは、悪化する人には共通点があります。
それは、苦しいのに、現実を見るのを後回しにすることです。
立て直す人も完璧ではありません。
でも、どこかで数字を見て、現状を認めて、助けを借ります。
そこが分かれ道です。
もし今、借金が返せずに苦しいなら、まずは「何とかなるはず」という考えをいったん止めてください。
その代わりに、現状を書き出して、相談先を探してください。
それが、崩れかけた家計を立て直す最初の一歩です。
節約しても固定費を削っても楽にならない人に共通する
「3つの穴」と、塞ぐ順番を別の記事で書いています。
僕自身が借金3000万円から生活を立て直した方法
実は僕自身も、離婚・介護・詐欺で3000万円の借金をしたことがあります。
毎月赤字で借金を増やしていく生活を送っていました。
そんな生活から家計を再建した過程や、立て直しの考え方はnoteにまとめています。
「債務整理一択なのか、それとも再建できるのか」を考えたい方は
そちらも参考にしてください。












